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中原 康明
Journal of Nuclear Science and Technology, 9(12), p.743 - 748, 1972/12
非常に有用な熱中性子散乱則の温度内挿公式を散乱則を温度依存性の強い部分と弱い部分に分割することにより導いた。散乱則の強い温度依存性はデバイ・ワラー因子により特徴づけられ、そのデバイ・ワラー因子はほとんどの減速材に対して温度と共にほぼ線型に増加する。そこでデバイ・ワラー因子を温度の1次関数で近似し、その比例定数は温度内挿区間の両端で正しい散乱則を与えるように決定した。公式の有用性と精度を明示するために、この公式を代表的な2種の減速材(黒鉛と軽水)に適用した。その結果実際的な中性子のエネルギーと運動量の変化域において散乱則の内挿値は実験誤差の範囲内で正確であることが分った。